休職や退職、異動などで、担当している利用者さんを他のケアマネに引き継がなければならない状況になったことはありませんか?
自分の担当している30件あまりのケースを引き継ぐ状況は、
計画的に進めないととっても大変です。
この記事では、実際に2022年1月~2月で30件の引き継ぎを経て
産休になったすてらが、経験を踏まえて
引き継ぎの実際の段取りについてまとめました!
1.誰にひきつぐか?誰を引き継ぐか決める

まずはじめに、どのケアマネさんにどの利用者さんを担当してもらうか決める必要があります。
もし自分の後任のケアマネさんが決まっていて、
その方に全ての利用者さんを引き継いでもらえる場合は、このタスクは不要です。
すてらの場合は、後任のケアマネさんがいなかったので、
①同じ法人・同じ市内にある事業所に5名
②他社の事業所に6名
③同じ事業所の先輩に計13名
④予防のケースは全員包括へ返却
という状態になりました。
振り分けはどうやって決める?
もちろん、すてらが全て考えて決定したわけではありません。
ⅰ 引き継ぎを受けてもらう事業所から利用者自宅までの距離
ⅱ 利用者の希望(復帰したらまた担当してもいいかor同じケアマネに長く担当してほしいのか)
ⅲ 利用者の状況
などを考慮して、管理者や先輩と相談して割り振りをしました。

訪問が頻繁になりそうな利用者さんや、家族や本人の状況をこまめに把握しておきたい利用者さんは、引き続きこの事務所で担当しましょう…

この方はうちの事業所からは少し距離があるし、状態は落ち着いてるから、
利用中のサービス事業者と連携が取りやすいケアマネがいるなら他社にお願いしてもいいかもしれないね。

「利用者さんにかけるご迷惑は最低限に」と意識して振り分けをしました…!
2.引き継ぎの日程を具体的に決めよう

引き継ぎ先を決めたら、引き継ぎのスケジュールを立てていきます。
ケアマネを変更する際、
新規の契約とサービス担当者会議が必要になるケースと
軽微な変更のみでOKなケースがあります。
例えば、
①同じ法人の違う事業所のケアマネに交代する場合
…事業所の指定番号、住所等が異なっているため、
引き継いだ事業所側で新規のアセスメント、契約、届け出、サービス担当者会議が必要となります。
②他社の事業所のケアマネに交代する場合
①と同様に引き継いだ事業所側で新規のアセスメント、契約、届け出、サービス担当者会議が必要となります。
③同じ事業所内の他のケアマネに交代する場合
「ケアプランの軽微な変更」に該当するため、サービス担当者会議は必要ありません。
しかし、利用者本人や家族へ説明し、同意を得たのがわかるように、署名をいただくこと、
支援経過記録への記載、関連のサービス提供事業者への周知が必要です。
利用者さん本人や、家族としては

次に担当してくれるケアマネさん、どんな方かしら?
一度顔合わせしておくと安心できるわ。
と思っておられるのが自然です。
ケアマネ側も、

一度直接合って、身体の状況やお家の間取り、家具の配置なども知った上でケアプランを作りたいな…。契約や介護保険の届け出もあるし…
という事情があるので、顔合わせやアセスメント、書類作成がスムーズにできるよう、
余裕をもった日程でスケジュールを組むのが大切です。
3.誰が読んでもわかるように!書類や情報をまとめよう

引き継ぎに必要な書類は
①利用者情報(基本情報、介護保険関連情報、医療関連情報、障害者支援制度・難病支援制度などの情報、住宅改修の履歴や福祉用具購入の履歴など)
②現行のケアプラン(利用票、提供票含む)
③支援経過記録、モニタリング記録、サービス担当者会議の記録
などがあります。
どれも記録の漏れや抜けがあると、不在中に後任の方にとっても迷惑がかかります。
きちんと揃えておきましょう。
もし担当期間中に、苦情や相談をいただいたことがあれば、
その内容や経緯なども正直に申し送ることをおすすめします。

将来施設入所を考えていること、サービス事業者さんへのちょっとした苦情を言われたこと、家族とのやりとりで気にした方がいいことなども、口頭や記録で伝えました!
サービス事業者への伝え方は?
すてらの勤務する自治体では、
③同じ事業所内の他のケアマネへの交代
は軽微な変更なので、サービス提供事業者への周知方法は「提供票交付にて可」
という解釈でした。
自治体によりローカルルールが異なることがありますので、自治体の解釈をよく確認してくださいね。
すてらは
提供票交付のほか、対面でお会いしたときや、電話で交代の件を伝え挨拶させていただきました。
①同じ法人の他の事業所のケアマネに交代する場合
②他社のケアマネに交代する場合
は、引き継ぎ先のケアマネさんが新しくケアプランを作成&サービス担当者会議を開催するため、
こちらに周知義務はありません。
まとめ:引き継ぎのポイントをおさえて、気持ちよくバトンタッチしよう!

ケアマネ交代の引き継ぎに大切なことは、
1.まず誰を誰に引き継ぐのかを決める
2.引き継ぎの日程・スケジュールを具体的に決める
3.書類や記録、情報をまとめる
です。
とくに、3の記録は漏れや抜けがあると、後任のケアマネに多大な迷惑がかかります。
普段から記録をためず、わかりやすくまとめておくのを意識しておきましょう。
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