
ケアマネ資格を取ったけど、どこで働いたらいいか悩む。
サービス付き高齢者向け住宅のケアマネってどんな感じ?
在宅ケアマネや施設ケアマネとの違いを知りたい!

こういった疑問に答えます。
サービス付き高齢者向け住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住と略)とは、主に民間の事業者が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅です。
有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどの施設とは違い、60歳以上の高齢者であれば、誰でも入居できます。要介護認定を受けていれば60歳未満の方でも入居できます。
バリアフリー構造であるため、高齢で足腰が弱った方や車椅子の方でも生活しやすい設備になっています。職員による安否確認が義務付けられているので、高齢者の一人暮らしで危惧されている「1人で亡くなって数日〜長期間そのまま」という状態が予防できます。
サービス付き高齢者住宅向けにはどんな方が入居する?
基本的には60歳以上で、月額のその部屋の賃料、共益費等を支払うことができるのであればどなたでも入居できます。
自立でお元気な方が「古い自宅を売ったから、いざというときに安心なバリアフリーのマンションで暮らしたい。」と入居されるケースや、

他県で一人暮らしをしていて、娘の近くに住むように言われたので転居してきた
というケース、

透析通院のお手伝いをしてほしくて、入居を決めました
というケース、

一人暮らしは不安なんだけど、施設に入るほどじゃないの
というケースなど、いろんな背景や事情があって、さまざまな方が入居されます。
施設ケアマネとの違いは?
サ高住は「賃貸住宅」ですので、そこで勤務するケアマネは「居宅ケアマネ」に分類されます。施設ケアマネは、施設の方のケアプランを作成するのが仕事なので、施設内の介護職員の人数や勤務体制を考慮しながらケアプランを作成する必要があります。
サ高住の場合、同じ法人の訪問介護事業所や訪問看護事業所を紹介することももちろんありますが、自宅にいたときと同じヘルパーさんや看護師さんにお世話になりたい、といった希望があれば他法人のサービスも位置付けます。
生活していくうちに、併設の訪問介護事業所の援助時間や援助内容が本人に合わなくなってきた…という場合にも、外部のサービスに交代してもらうなどして柔軟に対応することができます。
外来の診療を受けるために自費の院内介助のサービスが安価なヘルパー事業所を調べて紹介する、
往診の先生が合わないので他の往診の先生を紹介してほしい、などの調整をすることもあります。
在宅ケアマネとの違い
わたしの勤務していたサ高住は家賃が100,400円、共益費13,000円、生活支援サービス費(毎日の安否確認、簡単な居室修繕など)33,000円と、介護サービスを利用しなくてもなかなかの値段設定で、比較的裕福な方の入居しかありませんでした。
そのため、生活保護を受けている方や経済的に困窮している方のケースを担当したことがありませんでした。
また、基本的に建物内はどの部屋もバリアフリー構造で賃貸であるため、住宅改修をするケアプランも作った経験がありませんでした。
そのため、ケアマネとしてどんなケースにも対応できるようになりたい!という方や新人ケアマネにはおすすめできないと感じました。
しかし利用者さんが同一建物に住んでいるので、
- 毎月のモニタリングや担当者会議への移動時間がない。
- 車での運転が少ないので運転に自信がない人はストレスなく仕事ができる
そういったメリットはあります。
また、基本的に自分が出勤すると利用者さんに会える、という環境なので、
身体状況の変化、体調の変化、食事の状況、様子が変わってきた…という
変化にすぐ気づいてプランに反映させやすい。アセスメントがしやすい。
という利点もあります。他に、いつでも近くにケアマネがいるので、
利用者さんとの信頼関係が作りやすい
のもメリットとして挙げられます。
まとめ
サ高住ケアマネになるメリットは、
- 利用者さんの身近なケアマネとして信頼関係が作りやすい。
- アセスメント、モニタリングがしやすい環境
- 訪問の移動時間がない
ことが挙げられます。
デメリットとしては
- 居宅ケアマネとして経験値を積むには不向き
- 施設ケアマネとしての経験値は積めない(施設ケアプラン様式を使わないため)
ことが挙げられます。
また、利用者さんと距離が近いゆえに、
頻繁な呼び出しや相談があり、業務が円滑にすすまない。
ことも正直ありました。

以上、サ高住のケアマネについて実経験を踏まえてお伝えしました。どなたかの参考になれば嬉しいです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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